「社会」と「環境」に焦点をあて、今年日本で初開催した「ボランティアウィーク」。BNPパリバでは、社員一人ひとりが持続可能な社会の創造に意識を向けて積極的に活動しています。
NPO法人コミュナールとアーティスト・西村 公一氏によるサポートのもと、ボランティアウィーク内の2日間にわたり、BNPパリバの社員とその家族約80名がマスキングテープを使ったホスピタルアートの制作を行いました。オンラインの制作セッションのほか、待ちわびた対面でのセッションも行われ、社員同士の活発なコミュニケーションや、西村 公一氏からの直接の指導とインスピレーションを受け、創造性溢れるたくさんの「ハート」が作られました。制作されたハートが大きな「ひびきあうハート」として、今年秋に東京 広尾の日本赤十字社医療センターに展示される予定です。
医療施設にアートを導入し、心安らぐ空間を創出するホスピタルアートは、海外では1950年代から始まり、イギリスや北欧において特に先進的な活動が行われてきました。その効果として、患者さんの入院期間や薬の服用量低減等、関連エビデンスも一部発表されています。日本でも活動の輪の広がりが徐々に見られ、2000年頃から特に関西や名古屋において活用事例があります。日本における取り入れ方は大きく二種類に分類され、絵画など既存品を展示する方法と、壁面にデザインを取り入れる方法があげられます。しかし、デザインとして取り入れる方法は大掛かりな設定や設備が必要とされ、病院新築・改築時以外取り入れることが難しく、また既存品の展示はオリジナリティを出すのが難しいといった困難を抱え、さらには新型コロナウイルスの拡大という社会的困難にも直面しました。
NPO法人コミュナールとアーティスト・西村 公一氏はそうした困難に立ち向かい、より良い形での普及を目指し、「いつでもどこでも好きな時に手軽に取り入れられる」マスキングテープアートへと進化させ、活動を強化しています。手も汚さず扱いが簡易なマスキングテープの活用で、場所を選ばず作製することが可能となり、また患者さんや職員、地域の方々との協働もよりしやすくなるといった大きなメリットを併せ持つ従来とは一線を画す手法で、今後のさらなる普及が期待されます。
BNPパリバ・グループとの協働プロジェクト「ひびきあうハート」での制作は、これまで徳島赤十字病院と熊本大学病院にて展示されました。徳島赤十字病院の展示は第7回企業ボランティアアワードにて『インクルーシブ社会奨励賞』を受賞、熊本大学病院では、多数の関係者や市民が参加し、900枚以上のハートが展示されました。熊本は地震により熊本城や石垣が損壊する被害に見舞われ、また被災して苦しい思いを経験した方もいる場所です。展示されたハートには熊本城や宮本 武蔵執筆の『五輪書』も描かれ、熊本を元気づける工夫が取り入れられています。
医学博士で脳神経外科専門医であるNPO法人コミュナール 理事長 永廣 信治氏は、「ホスピタルアートには、外科手術以上の“何か”を取り戻せる力があると思う」と語っており、医療、アート、コミュニティでの地域包括ケアシステムのさらなる向上が期待されます。
BNPパリバでも、人生100年時代における個の尊重、ウェルビーイングの向上を目指し、取り組んでいます。今後もこうした活動への支援によって地域の皆様へ大きな力を届けていきます。
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